価格交渉サポート事業

本年度も下請中小企業のための価格交渉サポート事業セミナー講師と個別対応専門家を承っております。
価格交渉サポートセミナーは、下請取引で問題とされる優越的地位の濫用に当たる取引、親事業者の義務と禁止事項といった下請法の解説と、実際の交渉に当たってのノウハウ解説で構成されています。ノウハウ解説では、事例を踏まえながら、原材料の明細と価格推移を記録する、見積もり条件をしっかり記載する、文書に残す、コスト削減の対案を出し、親事業者とよく協議する、親事業者側の組織や権限を考え、相手の立場を考えた交渉をする、などのノウハウをお伝えしています。
コンパクトにまとまっており、有意義なセミナーと信じますが、2時間喋って見て、どこまで実務のお役に立てるかな、と疑問に思うこともあります。現場を思い浮かべてみると、人材不足、経験不足で原材料価格の推移ひとつとっても交渉材料として記録できているところは少ないからです。ましてやコスト削減の対案を出す、親事業者の組織や権限を考えて交渉するなどは思いも及びません。
セミナーで学ぶ知識は価格交渉の入り口までで、実際に準備を整え、交渉に臨むためには、個別対応専門家の支援制度を活用していただくのがよいのかなと思います。
価格交渉サポート事業は、下請取引に関する相談窓口の設置、セミナーの開催、個別対応専門家による支援という3本立ての制度設計となっています。実際にセミナー講師、個別対応専門家として活動してみて、この仕組はよく考えられていると思いました。大変有意義な制度ですので是非ご活用ください。