2018年度版中小企業白書が公開され、各地で説明会が開かれています。
生産性向上は白書でも主要なテーマで大きなページ数を割いて事例を紹介しています。ところがこれも生産効率の向上一辺倒で、労働投入を減らすことばかり訴えています。そうして効率の向上でコストを削減した分を値下げの原資にしてしまい、結果、労働生産性は上昇しないという、無意味な循環を繰り返しています。
どうして労働生産性の向上を掲げながら生産効率の向上ばかりやっているのか? 中小企業庁の担当者にお会いした際聞いてみたのですが、要領を得ませんでした。マスコミにも(意図的に?)誤ったメッセージが流され、世間にも流布しています。
労働生産性=付加価値÷労働投入
です。効率向上で労働投入を減らすことはOKです。しかし、値下げにより付加価値を減少させたのでは労働生産性は向上しません。生産効率面の努力で労働投入を減らすと同時に、營業・マーケティング面の努力でしかるべき値決めを行い付加価値を増やすことが必要です。
と、ここまで書いて我が身を振り返ると、コンサルティングサービスという分野で、効率の向上も、付加価値の向上もさっぱりだな、と気づいてしまいました。