創業支援のフォローアップ

TOKYO創業ステーションを5月に修了し、皮革製品の製造・販売業を開業された方をフォローアップしてきました。ご自分のオリジナルデザインで財布などの皮革製品を開発し、ご自分のブランドを立ち上げるというビジネスです。
事業計画ではこれまで培った人脈を活かして受託系の開発や企画をやりながら資金を稼ぎ、オリジナル製品の開発にリソースを配分してご自分のブランドを立ち上げて行く、というものでした。ボストン・コンサルティングの製品ポートフォリオ・モデルですね。
しかしながら、金のなる木である受託系の仕事にどうしても時間がとられ、花形製品に仕立てたいオリジナル製品開発はいつまでも問題児のままのようでした。自分たちの人件費を確保しながら利益も出ているのだから、立派なのですが、少々消耗している印象でした。
ここはスケジュールを強制的に確保してオリジナル製品開発に時間を充てるしかありませんよ、と助言。当たり前のような話ですが、勇気がいるものです。それでもひと時の会話で少し元気になっていただけたようでした。

平成29年度補正予算(経産省関連)

平成29年度補正予算の概要が発表になっています。
http://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2017/hosei/index.html
今回の補正では「生産性革命」がメインテーマになっています。
例年通り、
・小規模事業者支援パッケージ事業(小規模事業者持続化補助金)
・ものづくり・商業・サービス経営力向上⽀援事業(もの補助)
が予算化されていますが、方針の見直があります。
前回はIoTがキーワードになっていましたが、今回はありません。相当にハシタナイ申請が横行した結果見直されたのでしょう。
替わりに企業間連携が打ち出されました。中小企業がデータ・情報共有して連携するプロジェクトに対し、最大10社、1社当たり最大1200万円、補助率2/3 の支援があります。
一方、単独の申請では最大1000万円、補助率1/2 となっており、企業間連携へのインセンティブが明確です。また、専門家を活用することで補助上限30万円上乗せとなっていることも政策的意図が感じられます。
公募は来年2月中に開始とのことです。

生産性向上と作業効率の向上

最近の支援先では、商品・サービスに物語性を付加するなどして価格を上げる試みが多くなっています。これは実は(労働)生産性向上になっています。
・生産性 =付加価値÷従業員数
・付加価値=売上高-外部への支払額
・売上高 =価格×数量
です。
・生産性を高めるには、①付加価値を増やす、または、②従業員を減らす。
・付加価値を増やすには、③売上を増やす、または、④外部への支払を減らす。
・売上を増やすには、⑤価格を上げる、または、⑥沢山売る。
ことになります。
このうち、⑤価格を上げる、は主として営業・マーケティングの仕事です。
自分たちの製品・サービスを多面的に評価し直して、より高い価格で、しかも喜んで購入していただく。評価していただけるセグメントを見つけ出し、有利にポジショニングする。それにより付加価値が高まり、生産性も向上する。自分たちの価値が高まり、よい循環が生まれます。
生産現場などで地道に作業効率を向上させる努力はもちろん重要ですが、営業・マーケティング面の努力を忘れてはなりません。